長く一緒に暮らしていると、
日々の生活が穏やかに落ち着いていく一方で、
「これから、どんなことを楽しみにしようか」と
考える時間が増えていきます。
大きな目標でなくてもいい。
小さな「楽しみ」を重ねていくことが、
これからの人生をゆたかにしてくれると感じています。
今回は、わたしたち夫婦が大切にしている
“これからの楽しみリスト”のつくり方とアイデアをご紹介します。
紙に書き出すことで、楽しみが“かたち”になる

何気ない話の中で出てきた「やってみたいね」を、
忘れないように小さなノートに書き留めています。
たとえば——
●季節ごとに行きたい場所
●家の中でやってみたいこと
●二人で挑戦したい小さなこと
思いついたときに書くだけ。
完璧に整理しなくてもいいのです。
「書く」ことで、ぼんやりした想いが目に見える形になります。
そして時々見返して、
「これ、そろそろやってみようか」と話す時間も楽しみのひとつです。
「行ってみたい場所」をリストに
遠出が難しくても、
近くのカフェや季節の花を見に行くだけで心が弾みます。
春:近くの公園でお花見
夏:早朝の海辺ドライブ
秋:紅葉を見に小さな旅へ
冬:温泉宿でのんびり
“非日常”でなくてもいい。
「いつもより少し外の空気を吸う」
それだけで、新しい発見がたくさんあります。
また、地図を広げて「ここ行ってみたいね」と話す時間も、
実際に出かけるのと同じくらい楽しいものです。
「家の中で楽しむこと」も忘れずに
家にいる時間が増える今、
“おうち時間”をどう楽しむかも大切なテーマです。
●一緒に映画を観る
●昔の写真を整理してアルバムづくり
●新しいレシピに挑戦
●季節ごとの花を飾る
●模様替えやDIY
わが家では「おうちカフェごっこ」も定番。
好きなカップでコーヒーを淹れて、
音楽を流しながらのんびり過ごすだけで、
一日が少し特別に感じられます。
「やってみたかったこと」をもう一度

若いころにやりたくてできなかったこと、
忙しさの中で後回しにしてきたこと——
今だからこそ、少しずつ叶えられるかもしれません。
●手芸や絵を始める
●料理の新しいジャンルに挑戦
●写真を撮って日記をつける
●小さな庭やベランダ菜園をつくる
“今さら”ではなく、“今だから”。
時間の流れがゆるやかになった今、
自分たちのペースで夢を形にしていくのも素敵な楽しみ方です。
季節の行事を暮らしに取り入れる

歳を重ねるほど、季節の行事が愛おしく感じます。
春:お花見弁当を作って近所の公園へ
夏:スイカを冷やして二人で半分こ
秋:お月見団子を並べて夜空を見上げる
冬:年末に一緒に年越しそばを作る
特別な準備はいりません。
季節を感じるちょっとした儀式が、
日常にやさしい彩りを添えてくれます。
「人とつながる楽しみ」も忘れずに
二人で過ごす時間が増える一方で、
ときどき他の人と関わることも、暮らしを豊かにしてくれます。
●友人をお茶に招く
●ご近所さんと野菜を分け合う
●家族や孫に会いに行く予定を立てる
会うことが難しいときは、
手紙を書いたり、電話で声を聞くだけでも十分。
“誰かとつながる時間”は、心の栄養になります。
「まだ見ぬ明日」を一緒に楽しみにする
未来のことを話すとき、
つい「不安」よりの話題になりがちですが、
あえて“楽しみ”に目を向けて話すようにしています。
「来年はこんな花を植えようか」
「この季節にはまたあの温泉に行きたいね」
未来を“期待”として語ると、
その瞬間から少し明るい気持ちになります。
たとえ予定通りにいかなくても、
話している時間そのものが、
すでに「楽しみ」なのだと思います。
おわりに:これからの時間を、やさしく育てていく
“楽しみリスト”とは、
未来への約束というより、“今日を大切にするメモ”のようなもの。
書くたびに、「まだやりたいことがある」と思える。
それが、生きる力になります。
夫婦で一緒に笑いながら書く時間、
それを見返して「もう一度行こうか」と話す時間——
そのすべてが、これからを照らす小さな灯りです。
これからも無理をせず、
小さな楽しみを一つずつ重ねながら、
“二人で暮らす明日”を育てていきたいと思います。

