家の中を見渡すと、気づかないうちにモノが増えている——
そんな経験、ありませんか?
子どもたちが独立して二人暮らしになった今、
部屋の広さは変わらないのに、
“モノとの距離感”はずいぶん変わった気がします。
「使うもの」と「しまいこんでいるもの」を見直すだけで、
部屋も気持ちも軽くなる。
今回は、わたしたち夫婦が実践している
**“二人暮らしの収納見直し術”**をご紹介します。
「全部出す」から始める小さな整理

片づけようと思っても、
どこから手をつけていいかわからない——。
そんなときは、思い切って**“一か所だけ全部出す”**ことから始めます。
キッチンの引き出し、押し入れの一段、本棚の一部。
「全部出す」と、今どんなものを持っているかが一目でわかります。
そのうえで、
●よく使うもの
●たまに使うもの
●使っていないもの
の3つに分けてみる。
これだけで、収納の“現在地”が見えてきます。
「使う場所にしまう」で動きがラクに
収納を見直すときのコツは、
“場所ごと”ではなく“動線ごと”に考えること。
たとえば——
よく使う調味料はコンロ横に
書類や筆記用具はテーブル付近に
掃除道具は使う部屋ごとに分けて置く
「使う場所のそばに置く」だけで、
取り出す・片づけるがスムーズになります。
収納の目的は“しまうこと”ではなく、
“使いやすく暮らすこと”。
この考え方に変えてから、
家事の手間も気持ちもぐっとラクになりました。
“7割収納”で心にも余白を
詰め込みすぎない収納は、
暮らしにもゆとりをもたらします。
棚や引き出しは、“7割のゆとり”を残すのが理想。
モノと空間の間に少し余白があると、
取り出しやすく、掃除もしやすくなります。
そして何より、
「まだ入る余地がある」と思えることが心地いい。
空間の余白は、心の余白にもつながります。
“しまいすぎない”で暮らしを見える化
きっちり隠す収納もすっきり見えますが、
あまりに見えないと、持っていることを忘れてしまうことも。
たとえば——
●よく使う食器はオープン棚に
●毎日着る上着は玄関のフックに
●よく読む本は手の届く位置に
“出しておく収納”と“しまう収納”をバランスよく組み合わせることで、
暮らしが見える形になります。
「使っているものだけが見える」ことで、
必要なものの数も自然と整っていきます。
「夫婦で一緒に片づける日」をつくる

二人暮らしになってからは、
お互いの持ち物が混ざる場面も少なくありません。
わが家では、季節の変わり目に
**“一緒に整理デー”**を作っています。
ひとりでは面倒なことも、
二人で「これは残そう」「もう使わないね」と話しながら進めると、
作業も楽しく、思い出話も自然と出てきます。
お互いの考え方の違いを知る時間にもなり、
「片づけながらコミュニケーション」になるのも良いところです。
収納用品は“足す”より“活かす”
新しい収納グッズを買う前に、
まずは今ある収納をどう使うかを見直すことが大切です。
空き箱やカゴを仕切りに使ったり、
引き出しの中にトレイを足したり。
身近なものを工夫するだけでも、
収納のしやすさはぐっと変わります。
“買い足さない工夫”は、
物を増やさずにスッキリを続ける秘訣です。
「完璧」より「心地いい」を目指す
収納は、見た目の美しさよりも、
“自分たちが心地よく暮らせること”が大事です。
多少揃っていなくても、
使いやすく、探さずに済む。
それが一番の整い方。
完璧を目指すと疲れてしまいますが、
“これでいいか”を“これがいい”に変えると、
家の中が少しずつ自分たちらしくなっていきます。
おわりに:収納を整えると、暮らしがやさしくなる
収納を見直すことは、
「暮らし方を見直すこと」でもあります。
使いやすく整った部屋では、
探すストレスも減り、
自然と気持ちが前向きになります。
収納が整うと、時間にも気持ちにも余裕が生まれる。
そしてその余裕が、
二人で過ごす時間をより穏やかにしてくれます。
無理せず少しずつ、
自分たちに合った“ちょうどいい収納”を続けていきたいですね。

