長い時間を共に過ごしてきたからこそ、
お互いの“居心地のよさ”を大切にしたい。
二人暮らしになってから、
「一緒にいる時間」と「それぞれの時間」の
バランスがとても大事だと感じるようになりました。
家の中に“自分の居場所”があると、
心が落ち着き、夫婦の関係もより穏やかになります。
今回は、わたしたちが実践している
**「心地よく過ごせる居場所づくりの工夫」**を紹介します。
それぞれの“お気に入りスペース”を持つ

同じ家の中でも、「自分だけの小さな場所」を持つと安心します。
夫は窓際のテーブル、私はリビングの一角。
そこに好きな椅子や照明を置くだけで、
気持ちが落ち着く“自分の居場所”になります。
●読書をする
●新聞を読む
●手芸をする
●音楽を聴く
それぞれが好きな時間を過ごせる空間があると、
無理に会話をしなくても、心地よい距離感でいられます。
同じ空間で「別のことをする」時間を楽しむ

夫婦で同じ部屋にいても、
必ずしも同じことをしている必要はありません。
たとえば、
夫がテレビを見ていて、私は手芸をする。
それぞれ別のことをしながらも、
お互いの気配を感じられる時間が心地よいのです。
「話す」よりも「一緒にいる」を大切に。
そんな時間が、二人の関係を静かに支えてくれます。
家具の配置を工夫して“視線の距離”をつくる
居心地のよい空間づくりには、家具の配置も大切です。
お互いの席が正面に向き合いすぎないように、
少し斜めに配置してみる。
ソファとテーブルの距離を少し離して、
ゆったりとした空気をつくる。
たったそれだけでも、
部屋全体が落ち着いた雰囲気に変わります。
“物理的な距離”が、“心の余裕”につながる。
それが居場所づくりの不思議なところです。
自然の光と風を感じられる場所を大切に
家の中で一番好きな場所は、日差しが入る窓際。
季節によって光の色が変わるのを見るのが楽しみです。
朝はカーテンを開けて、コーヒーを片手に光を浴びる。
午後は風を感じながら本を読む。
そんな時間が、気持ちを整えてくれます。
光や風の通る場所は、心にも風を通してくれるような気がします。
自然を少しでも感じられる居場所は、
毎日の小さな癒しです。
夫婦で共通の“リラックススポット”をつくる
それぞれの場所があるのと同じくらい、
二人で一緒に過ごす場所も大切にしています。
わが家の場合、それはダイニングテーブルとソファ。
食後のコーヒーを飲む場所、
夜にテレビを見ながら話す場所。
特別な時間ではなく、“自然と集まる場所”があることが大切です。
その場所には、
お気に入りのランプやクッションを置いて、
二人の“共通の心地よさ”を育てています。
視界に「好きなもの」を置く

居心地の良さは、見える景色にも関係します。
視界に好きなものがあると、それだけで気分が和らぎます。
●写真立てに家族の笑顔を
●小さな観葉植物を机の上に
●旅行で買った器を棚に飾る
ほんの少しの工夫で、
その空間が“自分の味方”になってくれるように感じます。
好きなものに囲まれていると、
自然と会話もやさしくなっていく気がします。
「片づけすぎない」ことで、あたたかみを残す
整った部屋は気持ちいいけれど、
完璧すぎると落ち着かないこともあります。
本が少し積まれていたり、
ひざ掛けがソファに置かれていたり——
そうした“生活の跡”があることで、
家が人の気配を感じさせてくれます。
大切なのは、「整いすぎない美しさ」。
暮らしている温度が感じられる家こそ、
心の休まる場所です。
おわりに:居場所があると、心も寄り添える
家の中に自分の居場所があり、
そこに相手の居場所もある。
お互いの空間を尊重できると、
自然と心の距離もほどよく保たれます。
そして、別々の時間を過ごしたあとに、
「ちょっとお茶でも飲もうか」と声をかけ合える関係。
それが、わたしたちにとって一番の幸せです。
居場所とは、ただの“スペース”ではなく、
心を休める“よりどころ”。
これからも、お互いの居場所を大切にしながら、
穏やかな時間を重ねていきたいと思います。

